支出管理

不確実性は不安を与える一方で、変化を促す機会も生み出します。 変化を機会として、旅行プログラムを最適化してコストを抑制し、ポジティブな旅行体験を提供できます。 サプライヤーのパートナーシップを確認し、データを活用して、トラベルプログラムを更新することが不可欠です。

新たな考え方により、出張プログラムの変革を促すことができます。 サプライヤーとのパートナーシップの見直し、新たな視点で飛行機、ホテル、地上交通および鉄道プログラムについて検討し、データを無視しないこと。

データについてより深く見ていくことで、いくつか重要な疑問に答えることができます。例えば: 不要不急でない出張とは何か? 出張者の購入行動は、サプライヤーの健康および安全プロトコルの変更やより柔軟性のある価格設定により変化したか? 出張者はポリシーの変更、出張規制、優先予約チャネルおよび優先サプライヤーに従っていたか?

新たな利害関係者が現れる場合があります – HR部門からIT部門までの他の事業部門は、出張に対して強い関心を持つようになっています。 出張フットプリントは常に企業活動と関連しているため、貴社内の利害関係者と協力してに回復に向けたシナリオを作成してください。 貴社のフットプリントに影響を及ぼす変更をマッピングし、トラベルポリシーに影響を及ぼすその他の組織的変更の要素を考慮してください。 例えば、飛行機から鉄道への移行およびCO2排出削減への注力などが考えられます。 素晴らしいアプローチとして、「what if(もし~が発生したら)」を使ったシナリオモデリングツールがあり、これは回復の早さとその開始日に基づき、支出の予測および保守的なものから大胆なものまで幅広いシナリオをマッピングするものです。 この方法を使用すれば、ビジネスを始めるニーズが生じたタイミングでプログラムを開始することができます。

航空会社のプログラム

2020年、世界中の航空旅客者は2019年に比べ、66%減少し、これは航空史上最も厳しいものでした。 国内市場は既に安定した回復の道をたどっています。 限られた数の目的地を除けば、国際市場は多くの地域や国でワクチン接種状況が安定しないため、未だに厳しい状況が続いています。 国際線の回復は、世界でデジタル・ワクチン・パスポートが認められるか否かに大きく依存すると考えられます。

多くの航空会社がパンデミック中に組織改革を行いました。 これまでに一握りの吸収合併が発表されましたが、今後は新設合併も予期されています。 この回復期間中に、航空会社は当面の間、ネットワークの縮小やスケジュールの変更を余儀なくされるでしょう。 多くの航空会社は新しい販促目的のインセンティブや高い柔軟性を提供することで、空の旅を復活させ、経済の低迷期にも競争力を保つ努力をしてきました。 パンデミック後の出張者には、より高い航空運賃、より少ない選択肢が予期されています。

新しい航空業界の展望に対してどのように準備しますか?

優先および非優先キャリアの両方について、リスクレベルのアセスメントを開始しましょう。 国境の閉鎖と安全規制による飛行禁止、現金の可用性、政府のサポート、ネットワークへの影響を調べましょう。

回復に時間がかかっている間に、一部の優先的なサプライヤーは、特定の市場での出張ニーズを完全にカバーする能力を失っている可能性があります。 貴社の出張プログラムを調整し、代替サプライヤーを模索する必要があります。 Advito’s Air Fare Predictor のようなツールを使用すれば、予約可能なフライトの変更、座席数の変更、および将来の価格設定ポイントを毎日モニタリングできます。

出張が増加し始めたら、プログラムが徐々に再構築されるので、最適な範囲と競争力のある価格を確保するために、グローバルな出張のフットプリントを変化する業界の展望に合わせる必要があります。 これには、変動の激しい、または競争力のない価格設定から上位ルートを保護するために、サプライヤーとの継続的な交渉が必要になります。

節約だけでなく、ビジネスの連携を促進することで相互の成功に貢献できる方法を航空会社のパートナーに尋ねることができます。 必要に応じて、払い戻し、クレジット、バウチャーに関する追加の交渉ポイントを追加し、燃油サーチャージとGDSサーチャージの終了を主張します。 安全衛生対策を見直して、出張者の空の旅に対する信頼を得られるようにします。最も重要なことは、従来の航空RFPプロセスを使用しないことです。 迅速性は、新型コロナウイルス感染症流行後の世界における出張プログラムで成功するための重要な要素です。

ホテルプログラム

新型コロナウイルス感染症により、ホテル業界は一部の点において確実に、恒久的な変化を遂げました。 強化された清掃プロトコルは、今後も残るでしょう。 出張を再開する際には、新しい環境を統合させながら、今までの環境も保持することが重要です。

何から手をつけるべきかという段階を定める際に適しているのは、出張者の安全と安全配慮義務についてのテーマです。 このテーマに従って貴社の戦略を導くことで、出張を無事に再開できるだけでなく、そのプロセスにおいてホテルプログラム管理を進化させることもできるでしょう。

安全配慮義務は、出張者がホテルを予約する際に、貴社にとって可視化されたチャネルを利用してはじめて可能となるものです。 このような予約チャネルを、直感的に使えるようにし、モダンなビジュアルと、彼らが期待する素晴らしいコンテンツを盛り込むことが、これまで以上に重要になっています。

これにより、貴社の出張者が訪れる目的地とホテルが提供する、清潔さや安全に対するプロトコルに対し、効率的にアセスメントを行うことができます。

マネージドホテルプログラム:

  • 2020年から2021年のロールオーバーは再び満了となり、第3四半期および第4四半期までに回復する出張量は、2022年のプログラムでどのようなアプローチをとるべきかを左右します。
  • 当社は、意味のある分析と適切な規模のホテルプログラムが実施されることを期待しています。 予測される将来的な出張レベルによって、大部分のクライアントのプログラムはより少数のホテルへと集約された状況で実施されることになるでしょう。
  • プログラムの交渉により今後どのような状況になるかにかかわらず、一年前当社が行った助言は現在でも有効です - 今が出張を再開するために貴社のツールを準備しておくための理想的な時期なのです。
  • OBTを更新し、レート目標を追加します
  • 健康、安全、および安全配慮義務戦略の策定。
  • 交渉済みのプログラムを刷新するためのタイムラインを構築する際には、次年度の出張規模が明確になった時点で着手します。
  • 最も重要な事項:RFPプロセスを従来のアプローチと考えないでください。 リクエストに動的に対応してください。 ソーシングだけではなく、継続的にホテルのカテゴリ管理に積極的に取り組んでください

出張者のホテルに関する最重要懸念事項

調査対象の出張者は、ホテルにおける清潔さ、非接触型チェックイン、マスクに関する慣行について最も懸念していると答えました。

出典: 2020年5月に行われた1,260人の出張者を対象としたBCD Travel Research&Innovationのオンライン調査。

StaySafeによるバック・トラベラー・コンフィデンス(Back Traveler Confidence)の構築

ホテルプログラムにおいて出張者の信頼を獲得するための最善の方法は、ホテルが宿泊者の健康と安全を確保するための対策を講じていることを第三者機関が証明することです。

当社はStaySafe Hospitalityと提携し、自身が行っている対策を示し、国際的な規制基準に照らすことができるよう、ホテルに自己アセスメントツールとStayClean認証を提供しています。 StaySafeはホテル利用者のライフサイクルにおける各段階を検討し、ホテルの施設および組織全体におけるホテルの慣行について徹底的なアセスメントを行います。

このアセスメントおよび認証の枠組みは、ホテル従業員の健康および安全要件もカバーし、ホテル従業員を新型コロナウイルス感染症やその他考えうるウイルスへの感染から保護します。

ファクトシートで、アセスメントとその仕組みについて詳細をお読みください。

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地上交通機関プログラム

出張者の習慣は変化してきています。 公共交通機関を利用する代わりに、レンタカーや自家用車を選択しています。 通常は飛行機で移動するところを、地上の交通機関を使って移動する人も増えています。

出張者は今まで普通に使用していた移動手段を検討し始めています。バスやなどの公共交通機関を利用する代わりに、レンタカーや自家用車を選択したいと考えているかもしれません。 今まで、飛行機を利用していたルートでも、今後は長時間車を運転して移動するのが新しい未来になるのかもしれません。

地上交通利用を検討するときは、大幅な増加を予測し、サプライヤーと交渉する必要があります。 使用量が増えれば、料金交渉も可能になるかもしれません。しかし、逆に、安全や健康への注意義務、ウェルネスの観点ではそうではありません。 地上輸送を含むすべてのサプライヤーについては、徹底的に調査・検討する必要があります。 サプライヤーの安全対策を確認し、あらゆる旅行でそれらを検証するプロセスを開発する必要があります。

この分析では、各リスク要因を確認する必要があります。 例えば、サプライヤーの財政状況や運転手の感染確認テストの頻度等、そしてなによりも、出張者が一番に求めているものは何なのかを考える必要があります。

地上交通の対応範囲の拡大に関しては、 最近出版されたAdvitoの記事

「Ground Insights(地上交通に関する知見)」

を確認してください。

ウェビナー

National Enterpriseとの今後に関する話し合いにおいて

このパンデミック中に、地上交通の新しいパターンが生まれました。 出張者はより長距離を運転することをいとわなくなり、低接触や非接触を望むようになりました。

ビジネスモデルが出張者の行動の変化にどのように適応してきたか、安全プロトコルがイノベーションに与えたポジティブな影響、そして貴社および出張者が今後起きることにどう備えられるかを見ていきましょう。

鉄道

パンデミックの発生から、出張者は電車での移動が長くなることに対し、より理解を示すようになりました。 企業のサスティナビリティのイニシアティブの拡大と世界的な鉄道ネットワークの急激な成長が合わさることで、高速鉄道(HSR)が出張プログラムにおいてより重要な役割を果たすと考えています。

BCDのコンサルティング機関であるAdvitoは、トラベルマネージャーが自身の出張プログラムにおけるHSRの恩恵を最大限受けられるよう、新たに鉄道分野の事業を開始しました。 航路と鉄道を統合したマルチモーダルなアプローチをとることで、節約できていなかった部分を特定することができ、航空会社に対し、より良い価格を提供するようにプレッシャーをかけることができます。 また、炭素排出を軽減するために出張者が鉄道へ切り替えられるルートを特定することで、よりサスティナブルな出張を実現することができます。

  • 魅力的な航空運賃および利便性 一般的に、HSRの価格設定は競争力のあるものです。 多様なアプローチを利用することで、貴社のプログラムの競争力が増し – 特に短距離の国内および地方の出張 – 航空会社がより良い価格を提供するよう交渉し、全体的な支出を抑えることにつながります。
  • サスティナビリティ 鉄道は一般的に「最も環境にやさしい」移動手段だと考えられています。 貴社のサプライヤーミックスに鉄道を取り入れることで、長いスパンで貴社組織の全体的なサスティナビリティのイニシアティブに貢献することができます。
  • 搭乗体験 出張者は、ソーシャルディスタンスを取りやすい、自由に歩き回れる、静かなキャビンで混乱が少ないなど、体験によるさまざまなメリットを感じ取ります。 鉄道による移動はまた、出張者にとって他の大きな利点ももたらします – 生産性の高い時間が増えることです。 短距離移動(1,000 km未満)では、生産性の高い時間が全体の移動時間の3分の2を占めます(対して飛行機では3分の1、車では5分の1)。

ウェビナー

ステップアップしましょう: サプライヤーの変更およびソーシングの傾向

交通機関の状況は変化し、購買の優先順位も変化し、新たな要求、リスク、機会が生まれています。 新規および既存サプライヤーの両方との関わり方、また航路、ホテル、車のカテゴリーを評価する際に検討すべき追加要素を見ていきましょう;さらにバーチャルワークや車での旅行の人気上昇などのトレンドがソーシングにどのように影響するかを学びましょう。

あなたにできること

支出管理チェックリスト

BCD Travelが行っていること

出張の変更に対応するために、ホテル予約に柔軟な料金を提供する

トラベルマネージャーと協力してサプライヤープログラムを見直し、有意義な変更を加える

返金請求や払い戻し等のサービスでキャッシュフローを増加

明確で実用的な見通しの情報

サプライヤーの健康と安全に関するポリシーと要件の伝達

健康と安全対策は、旅行中の旅行者にとって最優先事項です。 これらをソーシング戦略に組み込むことが、信頼を構築するための鍵となります

—Jorge Cruz

Executive Vice President, Global Sales and Marketing, BCD Travel

トラベルポリシー

出張が再開した時に出張者に準備させる方法

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